井手端和子(いでばたかずこ)さん(82歳)
井手端早苗(いでばたさなえ)さん(76歳)来日

Carmen Ibeこと井手端和子(いでばたかずこ)さん(82歳)、Sanay Lumbayonこと井手端早苗(さなえ)さん(76歳)姉妹が、平成17年5月28日に来日しました。お二人にとっては、人生で始めて父の国に足を踏み入れた瞬間でした。成田空港には取材陣も集まり、お二人は緊張した面持ちで記者の質問に答えていました。


■ 取材をうける井手端早苗さん(成田空港にて)
トンカラン日本人尋常小学校の同級生と再会


■ 千代子さん(中央)、美代子さん(右)と語る和子さん(左)
5月30日、申立人代理人の所属事務所、さくら共同法律事務所(千代田区内幸町)にて、井手端姉妹は、同級生の小野寺(旧姓:田村)八重子さん、萬谷(旧姓:宝槻)千代子さん、河相美代子さんと再会しました。和子さんと千代子さん、早苗さんと八重子さんは同級生で、卒業までの6年間、いっしょに学んだ仲間でした。バゴボ族の母を持つ千代子さんは終戦時に父親と強制送還、平成10年のフィリピン訪問で井手端姉妹と再会を果たし、今回が2度目の再会となりました。八重子さんは戦前帰国のため、二人は65年ぶりの再会となりました。美代子さんは和子さんの後輩、早苗さんの先輩にあたります。戦中戦後は井手端姉妹と逃亡生活を共にした仲です。近年ようやくご自身の父親の身元が判明し、現在、孫と日本に住んでいます。井手端姉妹とはフィリピンを発ってから初めての再会となりました。同級生との再会の瞬間は、お互いの名前を呼び合い、抱き合ったり、うれし涙を流したりと感動的なものでした。
いっしょに昼食をとりながら、昔話に花が咲きました。


■ 昔の写真を見ながら語る八重子さん(左)、早苗さん(中央)、竹澤大助さん
就籍申立裁判・裁判官面接に出頭

同30日、午後2時より、裁判官による申立人面接がありました。和子さん、早苗さんは同級生達と共に東京家庭裁判所に出頭しました。最初に河合弘之弁護士による申立内容の説明と申立人本人、通訳者、同級生の紹介があり、次に和子さん、早苗さんへの尋問、その後裁判官がそれぞれに質問しました。同級生も一人ひとり入室し、同級生らは井手端姉妹と同級生であったことを証言しました。裁判官より井手端姉妹へ、本当に戸籍を作りたいのか、就籍の後にそれを取り消すことはできないが。と繰り返し質問がありましたが、井手端姉妹は、「私は日本人だ。戸籍謄本に名前を載せてほしい。」とはっきりと答えました。裁判でよい結果がでるように、就籍の許可が下りるように、みなさんもお祈り下さい。
井手端姉妹、記者会見へ


■ 残留日本人と裁判の概要を説明する青木弁護士




同日(5月30日)4時より、東京地方裁判所司法記者クラブにて記者会見を行いました。




■ 父親のフィリピン渡航記録を示す河合弁護士