プレスリリース 2009/7.22 | ||||||||||||||||||||
2009年集団一時帰国報告 |
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集団一時帰国へのご支援ありがとうございました。 太平洋戦争の戦場となったフィリピンにおいて、多くの日本人2世たちは、戦中、戦後に社会的、経済的に大変な苦労を背負ってきました。戦後の強い反日感情のなか、日本人であることを隠して生きてこなければならなかった彼らは、無国籍の状態に置かれています。本年7月7日から13日の日程で16名の残留日本人2世と1世配偶者たちが、日本国籍の取得、そして戦後64年経過した現在も未解決であるフィリピン残留日本人の問題を多くの方々に知っていただくため、集団一時帰国 を果たしました。(帰国者プロフィール→http://www.pnlsc.com/2009-6-profile/index.html) 本年度は帰国者の1世に沖縄出身者が多く、9日からは沖縄組みと東京組みの二手に分かれて行動しました。 国籍取得のための東京家庭裁判所調査官による面接、「フィリピン残留日本人問題等議員連盟特別委員会」参加の国会議員との面会、法務省における森英介法務大臣面会、大学での講義(早稲田大学、琉球大学)、無国籍ネットワークとの共同開催による帰国集会、仲井眞弘多沖縄知事面会、観光(都内、沖縄)、外務省、厚生労働省への表敬訪問等の行程を終え、帰路につきました。 この場をお借りして、残留日本人2世と1世配偶者16名の帰国実現のためにご支援をいただいた日本財団をはじめ、市民、企業、関係省庁の皆様方に厚く御礼申し上げます。 ■就籍許可 本年の集団一時帰国中、帰国者のひとりであるヨシダ レオナルドさん(80歳)に朗報がありました。2009年7月10日、妹のアウロラさんとともに東京家庭裁判所より就籍許可が下りたのです。 ヨシダさんきょうだいは、2009年3月11日に同裁判所より却下決定を受けこれを不服として弁護団により抗告を行っていました。折しも10日に主婦会館で行われた帰国集会に参加していたヨシダさんに、河合弘之弁護士から祝辞が述べられ就籍許可決定が下りたことが伝えられました。正に「サプライズ」な出来事であり、会場では盛大な拍手が鳴り響きました。 ■親族対面 帰国者の内、安谷屋ロドルフォセイイチさん(68歳)、妹のトリニダッドヨシコさん(66歳)と中村ヨシイチアベリーノさん(69歳/2009年6月3日に就籍許可)の3名が沖縄で親族訪問を果たしました。 7月10日、安谷屋ロドルフォセイイチさん、トリニダッドヨシコさんきょうだいは共に平敷名の本家安谷屋盛栄氏宅を訪問し位牌に手を合わせました。その後、在津堅島1世盛之助の妹ヨネさんを訪問しました。 7月11日、中村ヨシイチアベリーノさんは糸満の1世中村義助氏の遠戚を訪問。その後、義助氏の遺骨が埋葬されている中村一族の墓を訪問しました。
■「フィリピン残留日本人問題等特別委員会」のメンバー議員との面会 2世参加者より国会議員の方々へご支援に対する感謝、そして議員からは戦中、戦後と国家の狭間で苦労された日系2世への労いと「2世の国籍取得に向け全力を挙げて努力する」との約束をいただきました。 ■沖縄(記者会見・沖縄県知事面会・交流会)の様子 本来、日本人である彼らは日本人としての日本人のアイデンティテイーを回復するために日本国籍の取得を求める証を求めて、無国籍であることやさまざまな思いを報道関係者の前で語りました。 記者会見に続いて、仲井眞弘多沖縄県知事を表敬訪問しました。 11日には地元支援者と交流会が開催され下地幹郎議員、糸数慶子議員、喜納昌吉議員の参加がありました。 ■公開講座・写真展(早稲田大学・琉球大学) 早稲田大学で開催された公開講義ではそれぞれ大岩直子弁護士、山脇康嗣弁護士、琉球大学では、佐藤和樹弁護士が「フィリピン残留日本人と国籍問題」の問題の所在についてそれぞれ解説。 講義のなかで残留日本人2世らが自らの体験、国籍取得に向けた思いを会場の皆さんに伝える良い機会となりました。 写真展「戦前におけるフィリピンへの日本人移民とその子孫」(早稲田大学) 第二次世界大戦前、道路建設や農業開拓のためにフィリピンへ移住した日本人は約3万人にのぼりました。本年度も、戦前にフィリピンへ移住した日本人と当時の生活の様子、戦中、戦後の写真を展示しました。 ■帰国集会(於主婦会館プラザエフ) 本年度は、無国籍ネットワーク(国立民族学博物館准教授陳天璽氏主催)と当所により「国々のはざまで〜フィリピン残留日本人2世をかこんで」と題する帰国集会が共同開催されました。 帰国者の方々に日本文化に触れてもらいたいという気持ちから、開会の前に浴衣とハッピに着替えてもらいました。 第一部では、河合代表の開会の挨拶、ヨシダさん就籍許可決定を本人に報告、続いて、陳天璽先生から「世界における無国籍の人々」の解説、三島慶太郎弁護士による「残留問題の背景と現在と法的問題支援についての解説。第2部から日本文化紹介(上智大学筝曲三味線、尺八、琴演奏とアコーディオン演奏&日本の歌)、フィリピン残留日本人2世を囲んで座談会が行われました。当日は取材メディアも訪れ、その様子はテレビ等で紹介されました。 ■都内・沖縄観光 短い滞在中に絞りこまれた忙しいスケジュールの合間をみて、帰国者とともに観光に出かけました。 都内観光では、皇居外苑(桜田門〜楠正成像〜二重橋)、東京タワー、増上寺、水上バス(日の出桟橋〜浅草)、100円ショップ、の日程で都内をめぐりました。 沖縄観光では、ひめゆりの塔、平和祈念公園、美ら海水族館、万座毛海岸等を訪れました。 ■外務省、厚労省へ表敬訪問 国家の狭間で無国籍の状態に置かれているフィリピン残留日本人2世の存在、問題点をご理解いただくため両省庁を訪問しました。
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