日比国交回復60周年および戦後70周年を迎え、天皇・皇后両陛下がフィリピン慰霊の旅訪問をされた際に、両陛下と残留日本人2世の接見が実現しました。

 天皇陛下を日本人としてお迎えするために参集した残留2世87名は、両陛下がご宿泊されるホテル「ソフィテル・フィリピン・プラザ・マニラ」のロビーで、日本の国旗を持ちながら両陛下のご到着を待ちわびていました。
両陛下がお見えになると、2世から歓喜の声が上がりました。
天皇陛下は右手を小さくあげ、一人一人にゆっくりと話しかけられ「大変でしたね」などと慰めのお言葉をかけられました。
皇后陛下は英語で「会いに来てくださって、ありがとう」と話しかけられました。
両陛下は3重、4重にお二人をとり囲む残留2世の間に分け入り、最後列の人の手をとって、一人ひとりに、丁寧にねぎらいの言葉をかけられました。

 フィリピン全土から集まった2世たちの年齢は、70歳から87歳。歩行が困難な2世たちは杖をつき、車いすに乗りながら会場にたどり着きました。
当初、天皇・皇后両陛下との面会は代表者5名のみ許されていました。
しかし両陛下は残留2世らの「両陛下にひと目会いたい」という希望を受け入れられ、最終に参加者全員との接見が実現しました。

 両陛下と懇談した前フィリピン日系人連合会会長の寺岡カルロスさん(85)は、天皇陛下から「戦争中は苦労されましたね」と声をかけられ、「両陛下にお会いできて夢のよう」と話しました。
天皇・皇后両陛下との懇談後、2世たちは「夢にまで見た父にようやく会えたとでもいうのでしょうか。涙が出て止まりませんでした」「日本人として生きてきたことに間違いはなかった。これからも日本人であることを誇りに生きて行きたい」などと、口々に感激を語りました。

 このたびの残留2世と天皇皇后両陛下のご接見実現にあたり、日本財団をはじめ、宮内庁、外務省職員の方々、そして戦中戦後の沈黙の中で忘れ去られていたフィリピン残留2世に光をあて、その気持ちを代弁してくださった宮内庁記者団の方々に、心より感謝申し上げます。

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