戦後66年を迎えた今年、フィリピン残留日本人2世7名が、父親や親族との対面のため、また、日本国籍と身元の確認を求めて、8月6日から8月10日まで一時帰国をしました(帰国者プロフィール)。

台風9号の影響で、予定より2日遅れての入国となりましたが、本年度は身元が判明した2世が3人参加していたため、沖縄・熊本と二つの組に分かれ、それぞれの地で親子対面や親族対面、お墓参りが実現しました。

東京では、日本財団への表敬訪問、「フィリピン残留日本人問題等議員連盟特別委員会」参加の国会議員との懇談会、また、就籍申立中の3名については家庭裁判所にて調査官面接、そして外務省、厚労省への表敬訪問の後、帰路につきました。

残留日本人2世7名の帰国実現のためにご支援をいただいた在比日本領事館、日本財団をはじめ、市民の皆様、企業様、関係省庁の皆様方に厚く御礼申し上げます。


■親族対面
帰国者のうち、奥間パシータさん(69歳)は沖縄にて存命だった父親と対面。合志ラモナさん(日本名マサコ、67歳)と坂本レオナルドさん(日本名タカル、67歳)は熊本にて親族と対面し、父親のお墓参りをすることが出来ました。


沖縄での父子対面。奥間萬蔵さんと奥間パシータさん

奥間パシータさんは、当所調査の結果、沖縄県内で健在と判明した父・萬蔵さん(95歳)と、66年ぶりに再会を果たしました。涙ながらに父親を抱きしめる姿には、見ているこちらも泣きそうになってしまいました。萬蔵さんと会うまでは緊張していた様子のパシータさんですが、日本の親族の温かい歓迎を受け、萬蔵さんと話すうちに笑みがこぼれ、再会の嬉しさをかみしめていたようでした。

熊本を訪れた合志ラモナさんは、いとこにあたる女性と対面し、その後、父・進さんのお墓参りをしました。
同じく、坂本レオナルドさんも、父・乙吉さんの妹と対面し、父のお墓を訪れました。


熊本で父・乙吉さんの妹さんと対面する坂本レオナルドさん

熊本で父・進さんのお墓参りをする合志ラモナさん


■交流会

沖縄での交流会

本年は、沖縄と熊本のそれぞれで交流会が行われました。

沖縄では市民の皆さんにもご参加いただき、座談会形式の「フィリピン残留日本人2世と語る会」を沖縄都ホテルで開催。約80名の参加があり、多くの方にこの問題についての理解を深めていただけました。また、フィリピンへの日本人移民とその子孫の戦前?現在までの生活をテーマに、写真展も併催しました。

熊本では、身元調査にもご協力くださった、ダバオからの引き揚げ者でつくる「熊本ダバオ会」の皆様が交流会を開いてくださいました。また、熊本出身である坂本哲志議員も二人を訪ねてくださいました。


■議員連盟と外務省,厚生労働省訪問

8月9日、国会議員からなる「フィリピン残留日本人問題等議員連盟」の幹事長下地幹郎議員、事務局長糸川正晃議員、坂本哲志議員と面会し、フィリピン残留日本人の現状と救済の声を伝えました。
またこの日は、日比友好議連会長の石井一議員もご参加くださいました。

10日には、外務省と厚生労働省を表敬訪問し、日頃の身元調査への協力に感謝の意を述べると共に、今後もこの問題について、より一層の支援と協力をお願いしました。


「フィリピン残留日本人問題等議員連盟」の方との面会

厚生労働省を表敬訪問


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