沖縄のご親族がリナパカンの盛根姉妹と涙の対面

5月25日、フィリピンのリナパカン島に住む2世盛根エスペランサさん(87)とリディアさん(85)姉妹を沖縄の親族の方たちが訪問、戦後80年の節目の年に、初めての対面が実現しました。エスペランサさんたちのお父さんは沖縄出身の盛根蒲太さん。1945年に戦死した父の名前はモリネ・カマトと記憶され、身元は長らく不明のままでした。

2020年、外務省の外交史料館にある渡航者名簿から、沖縄出身の盛根蒲太さんの名前が見つかりました。フィリピンへ渡航した時期などからも、リナパカン島に住む盛根姉妹の父親である可能性が高いと思われました。そこから丁寧な聞き取り調査や証拠の収集などを経て盛根蒲太さんが父親であるとの確信を得たことから、2023年10月に那覇家裁に就籍許可の申立を行いました。その間、沖縄の蒲太さんのご親族とも連絡を取るようになり、2024年9月に就籍許可の審判が下りたときには、我がことのように喜んでくださいました。

エスペランサさん、リディアさんに、父の故郷である日本を訪れたいという気持ちはありましたが、高齢のため体力も低下しており訪日を実現させるのは難しい状況でした。訪日が難しいのであれば、ぜひフィリピンで対面したいと、沖縄の親族の方たちがフィリピン行きを決断、今回の喜ばしい親族対面が実現したのです。

リナパカンを訪れたのは、エスペランサさんたちのいとこの次男にあたる盛根直昭さん(49)と、いとこの孫にあたる盛根康彦さん(40)の2人。康彦さんはエスペランサさんの手を取り額に手を押し当てました。
親族が沖縄から持ってきてくれた蒲太さんの写真を手にしたリディアさんは、思わず写真の父にキスをしました。戦後から80年もの長い歳月が流れましたが、それでも諦めずに身元捜しを続けたことが、このような夢のような親族対面に繋がったのだと思うと、「最後の一人まで諦めない」という言葉の重さを再認識しました。

盛根さん姉妹の喜ばしいニュースは、今もまだ、無国籍状態のまま日本政府からの判断を待ち続けている残留2世たちを強く勇気づけるものとなったはずです。
戦後80年という節目、一時帰国と日本人の父親の身元捜しに、政府が一日も早く取り組んでくれることを強く要望したいと思います。

以下は親族対面の様子を報じるテレビ朝日のサイトです。

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