パラワン日系人会、第一回総会を開催

苦難の戦後を生き延び、新たな時代へ

8月27日、パラワン島プエルト・プリンセサ市内のホテルで、パラワン日系人会の第一回総会が開催されました。越川和彦大使、佐藤晃久一等書記官/領事、イネス マリャリ日系人会連合会会長、UNHCRフィリピン事務所代表のマリア エルミナ バルデアビラ ガラルドさんらも出席。PNLSCからは代表理事の猪俣典弘とともに、マニラ事務所のエミ―とジェンも参加し、現地の日系人たちも大勢駆けつけて、総勢100名とにぎやかな総会になりました。

来賓として迎えた越川大使からの、パラワンの残留日本人たちの苦難の戦後に心を寄せた祝辞は、パラワンの日系人たちにとって大きな励ましとなりました。イネス連合会会長は、両国の関係に翻弄されながらも、時に架け橋となってきたフィリピン日系人としてのアイデンティティについて語り、日系人たちに誇りを持とうと呼びかけ、UNHCRフィリピン事務所のガラルド代表は、「無国籍状態からの救済には両国のリーダーシップと関与が不可欠。UNHCRは両国に対し法的な支援やガイダンスを行う」と語りました。
 猪俣代表はこれから始まる第16次調査の重要性を説明。2世の高齢化にともない、いよいよラストチャンスになりつつあるという切実な状況を訴えました。その後、PNLSC顧問であるズニエガ シム弁護士が、残留2世の法的地位の複雑さについて解説し、ダバオ日系人会の担当責任者であるヘレン エスコビリャさんは、国籍回復のための具体的なプロセスについて実務的な説明を行いました。
 会の途中、日比友好議連の会長である森山裕衆議院議員と、同じく議連のメンバーである青山大人衆議院議員からパラワン日系人会設立にあたって送られてきた祝辞が読み上げられました。


ソーラーライト製作のワークショップ開催

総会の後半にジア生協協力基金の助成を受けて行われたのは、簡易型ソーラーライトの製作ワークショップ。NGO「リッターオブライト・フィリピン」のカレン アン カピス代表代理によるプレゼンテーションののち、参加者は実際にソーラーライトの組立にチャレンジしました。自然エネルギーの小規模利用は、電気が整備されていない地域のニーズに応えるものになるでしょう。パラワン島で現在判明している残留2世は53人。そのうち国籍が回復できたのはわずか8人です。年々、生存者は減少しています。私たちは、両国政府と議員、国際機関の協力を得ながら、ひとりでも多くの2世救済のために全力を尽くします。
 パラワン日系人会設立にあたってご協力・ご支援くださった皆様に、改めてお礼を申し上げます。


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